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309 名前:大人になった名無しさん[] 投稿日:2005/10/10(月) 03:31:00
高3の時、予備校の講師をすごく好きになった。
彼は一見だらだらしてるように見えるけれど、
みんなに分け隔てなくやさしく、時に厳しく、みんなの兄貴分的存在で
生徒に一番人気がある人だった。
最初は「講師のくせになんかテキトーな奴だなおい」と思ったけれど
そうじゃない。教えるということに真摯で、それを出さないようにふざけて笑っていたんだ。
そして、いつも優しい目をしていた。
惚れるのに時間はいらなかった。10歳上の大人だ、やることすべてが格好良く見えた。
私は先生に認めてほしくて、褒めてほしくて、そりゃもうウザイくらい
毎日質問しに行った。そして死に物狂いで頑張った。クラスで1番になるために。
高3の時、予備校の講師をすごく好きになった。
彼は一見だらだらしてるように見えるけれど、
みんなに分け隔てなくやさしく、時に厳しく、みんなの兄貴分的存在で
生徒に一番人気がある人だった。
最初は「講師のくせになんかテキトーな奴だなおい」と思ったけれど
そうじゃない。教えるということに真摯で、それを出さないようにふざけて笑っていたんだ。
そして、いつも優しい目をしていた。
惚れるのに時間はいらなかった。10歳上の大人だ、やることすべてが格好良く見えた。
私は先生に認めてほしくて、褒めてほしくて、そりゃもうウザイくらい
毎日質問しに行った。そして死に物狂いで頑張った。クラスで1番になるために。
そうして、生徒の中でも仲良く喋れるようになったころ、
クラス編成が行われる事になった。
先生のクラスじゃなくなるなんて絶対嫌だ、と思った私は、
さりげなく「2学期からも先生のクラスがいいなぁ~?」ときいてみた。
そうしたら先生は苦笑しながら言う。
「ま~ここだけの話だけど、もうお前は俺のクラスに決まってんだよね。
あ、みんなに内緒だぜ。やっぱりお前のような問題児を見きれるのは
俺くらいだからな~、お前は特別だよ」
…すごく嬉しかった。
少なくとも、私は大勢の生徒の中の一人じゃないんだと思った。
310 名前:大人になった名無しさん[] 投稿日:2005/10/10(月) 03:31:33
そうして、受験も近くなった冬の日。
筆箱を取りに教室から出ると、廊下で先生が窓からじっと夜の空を見ている。
何を見ているんだろう、と思いつつも、授業中なので教室に戻ろうとしたら
私に気づいて先生が手招きをした。「ちょっと、見てみ!」
なんだろうと思い窓からのぞくと、
そこにはビルの谷間からぽっかりと顔を出した、大きくて赤い、満月。
「知ってたか?ここ月の絶景ポイントなんだ」
月はたったいま顔を出したようで、見る見るうちに昇っていく。
「すごい、動いてるのがわかるよ!それにすごく赤い…」
私は感動して声を上げた。
「映画のCGみたいな月だな」「すごいすごい、つくりものみたい」
二人でじっと、月が昇るのを見ていた。映画みたいな話だけど本当の事です。
これが映画だったら。なんのためらいもなく告白できるのに。
目の前に迫ってる受験も、振り払いたい家庭環境も、10歳の差も、先生と生徒ってことも
何もかも忘れて、好きだって言えればいいのに。
…びゅうっと吹き抜ける冬の風で我に返った。
「あ、私筆箱取りにきたんだ!もう戻らなきゃ…」「…おう。頑張れ」
その時の赤くて、まあるい月が、今でも忘れられない。
受かったら告白しようと決心した、私のその年の受験は結局全滅。
その年に受かった予備校イチの美人と先生は付き合い始めた。
次の年私は1浪で志望校に受かり、先生とは今でも呑みに行くいい友達だ。
でも、今でも好きだってことは本人には言えない。
何度か言われた「お前は特別だよ」って言葉をいまだにひきずっている。
先月届いた「結婚します」のメールに、「おめでとう!よかったね!」
と返しながら、私は泣いた。
クラス編成が行われる事になった。
先生のクラスじゃなくなるなんて絶対嫌だ、と思った私は、
さりげなく「2学期からも先生のクラスがいいなぁ~?」ときいてみた。
そうしたら先生は苦笑しながら言う。
「ま~ここだけの話だけど、もうお前は俺のクラスに決まってんだよね。
あ、みんなに内緒だぜ。やっぱりお前のような問題児を見きれるのは
俺くらいだからな~、お前は特別だよ」
…すごく嬉しかった。
少なくとも、私は大勢の生徒の中の一人じゃないんだと思った。
310 名前:大人になった名無しさん[] 投稿日:2005/10/10(月) 03:31:33
そうして、受験も近くなった冬の日。
筆箱を取りに教室から出ると、廊下で先生が窓からじっと夜の空を見ている。
何を見ているんだろう、と思いつつも、授業中なので教室に戻ろうとしたら
私に気づいて先生が手招きをした。「ちょっと、見てみ!」
なんだろうと思い窓からのぞくと、
そこにはビルの谷間からぽっかりと顔を出した、大きくて赤い、満月。
「知ってたか?ここ月の絶景ポイントなんだ」
月はたったいま顔を出したようで、見る見るうちに昇っていく。
「すごい、動いてるのがわかるよ!それにすごく赤い…」
私は感動して声を上げた。
「映画のCGみたいな月だな」「すごいすごい、つくりものみたい」
二人でじっと、月が昇るのを見ていた。映画みたいな話だけど本当の事です。
これが映画だったら。なんのためらいもなく告白できるのに。
目の前に迫ってる受験も、振り払いたい家庭環境も、10歳の差も、先生と生徒ってことも
何もかも忘れて、好きだって言えればいいのに。
…びゅうっと吹き抜ける冬の風で我に返った。
「あ、私筆箱取りにきたんだ!もう戻らなきゃ…」「…おう。頑張れ」
その時の赤くて、まあるい月が、今でも忘れられない。
受かったら告白しようと決心した、私のその年の受験は結局全滅。
その年に受かった予備校イチの美人と先生は付き合い始めた。
次の年私は1浪で志望校に受かり、先生とは今でも呑みに行くいい友達だ。
でも、今でも好きだってことは本人には言えない。
何度か言われた「お前は特別だよ」って言葉をいまだにひきずっている。
先月届いた「結婚します」のメールに、「おめでとう!よかったね!」
と返しながら、私は泣いた。
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相互リンクしたいでっす。
誰か相互リンクしてくれないかな~
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