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 519 名前:大人になった名無しさん[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 09:48:34
私の初恋は5歳の時、近所に住む男の子でした
幼稚園は違ったのですが、よく一緒に遊びました
「手を繋ぎたい」という私に「歩きづらい」とぼやきながらも
よく手を繋いで歩いてくれました。

 

 
小学校に上がると、賢い上に教育熱心な家に生まれた彼は
みるまに目立つ存在になりました。一方私は学校に馴染めずに
初めは良かった成績も下がっていきました。
それでも小学校1,2年までは互いの家を行き来していました。
彼のお父さんにチェスを教えて貰ったり、私の家でブロックを
組み立てたり。家で作ったという花の栞をくれたこともあります。
何が原因だったのか忘れましたが、だんだんと遊ばなくなって行きました。
それでも学校の帰り際たまに話しかけて来ました。ささいなことで
喧嘩して話しかけて来ないようになり、「何で話しかけて来んのじゃー!」
と私が怒ったこともありました。
小学校4年の時、私は引っ越すことになり、彼から「文通しよう」と
言われました。あの時は意外でした。学級委員の鏡みたいな彼は
もうとっくに愛想をつかしてると思っていたからです。そのくらい
私の成績は良いのと悪いのにくっきり分かれていました。
(いま思えば、優秀な彼もある意味孤立していたのかも知れません)。
月二回文通するようになり、引っ越した先でいじめられた私に
アドバイスをくれたこともありました。が、母が勝手に手紙を
開けて読んでしまい、当時の私にはそれがよほど嫌だったらしく
小五の時文通を断りました。最後の文は「幸せになって下さい。さようなら」
でした。


520 名前:続きです[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 09:49:11
当時私の家庭は、家族の病気で困窮していました。
彼のお父さんが、私が大学に行けるよう援助したいと申し出てくれました
(家ぐるみの付き合いだったので)
当時の私はどうしても大学に行きたくてたまりませんでした。
勉強してそれなりに成績も上がっていました。
が、家庭はやはり酷く困窮していて、結局その夢は叶いませんでした。
取り立てが来て家を追い出されるところを、彼のお父さんが
親に弁護士について教えてくれたり、いろいろと助けてくれました。
中学生当時、彼はたびたび電話したり家まで来てくれて、
私を励ましてくれました。
「頑張れよ!」と言って。
「頑張ってるよ」とは返した物の、中学生の力ではどうにもならない環境に
少し涙ぐんだ私に、彼は困ったような顔をしました。
遊びに行ったこともあります。ベッドの下(勝手に見た)の洋モノに
目をぱちくりさせた私に「将来はDカップ以上の嫁さんをもらうんだ」と
おっぱい星人なことを言ったり(奴は6歳の時も「胸の大きなお嫁さんを
もらうんだ!」と言っている真性)、私の髪の毛を編み込んで遊んだり
音楽を聴いたりして過ごしました。
当時、彼の家も離婚して、問題を抱えていました。
が、彼は強かった。前向きに生きようと言うパワーがあった。
私は弱い人間だったんだと思います。
励まされるのが辛くて、彼とは疎遠になっていきました。
高校1年の時一度電話したのが最後です。

高校の時も何度か会いに来てくれていたのですが、高校卒業後、
就職した私の職場に彼のお父さんが来ました。
(スーパーに就職しました)
早期定年退職して、海外で暮らすそうです。
彼は有名大学に入ったと聞きました。私に会いたがっているよ、とも。
出発する便を書いた紙を渡されましたが、就職したばかりで気軽に休めない
私は、職場でその便を見送りました。
最後に手を振った彼のお父さんの表情が忘れられません。
離婚して妻に付いていった娘と重なって見えたのか、5才から知っている
私のことを娘のように感じていたのか、彼しか真相は分かりません。
どちらにしても、私と家族を助けようとしてくれたのは確かでした。


521 名前:続きです[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 09:50:20
いまでも彼や彼の父親のことを思い出します。
彼は大学で東京に行ってしまったので、住所は分かりません。
彼のお父さんの住所も知りません。
飛行機を見送ってから13年の歳月が過ぎました。
私はいまは派遣で働いています。あれから引っ越しもしました。
結婚はしていません。
とても残念ですが、多分もう二度と会うことはないのだと思います。
小五の時手紙に書いた文章をそのまま贈ります。
「幸せになって下さい。さようなら」

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